RAYS PLATE Round L Ai-Urushi 藍漆が描く、新しい日本の工芸 —— 2つのアワード受賞のお知らせ

2025.12.7

藍漆が描く、新しい日本の工芸 —— 2つのアワード受賞のお知らせ**

この度、森工芸が制作した**RAYS PLATE Round L Ai-Urushi(藍漆)**が、
本年度、二つのアワードを受賞いたしました。

  • 第5回 日本和文化グランプリ ユナイテッドアローズ賞

https://jcpp.jp/2025unitedarrows-award/

  • 第2回 DENTOサポートプログラム
     DENTOアワーズ:工芸アワード(商品・作品)受賞

https://dento-japan.co.jp/ja/2025/08/winners/

私たちが日々向き合ってきた素材の美しさと、技術の継承と革新。その積み重ねが評価されたことに、深い喜びを感じております。


藍と漆が出会い、新たな美が立ちあがる——藍漆という表現

藍漆は、漆に深い知見を持つ堤浅吉漆店が長年培ってきた技術を背景に、
徳島産の藍を取り入れることで生まれた、新しい仕上げの在り方です。

漆の持つ重厚な艶と堅牢さ。
藍がもたらす静かで深い青。

このふたつが重なり合うことで、単なる色では捉えきれない奥行きが立ち上がります。
自然素材だからこそ揺らぎを内包し、光の移ろいとともに表情を変えるその佇まいは、
古来より日本人が大切にしてきた「陰翳の美」をどこか宿しています。

森工芸は、この藍漆の表現に徳島の藍という地域の物語を重ね、
独自の技法「光線貼り」と融合させることで、ひとつの作品として昇華させました。


光を捉え、木目が広がる——光線貼りという技法

RAYS PLATE の象徴とも言える放射状の木目は、
ツキ板を中心から広がるように貼り合わせる**光線貼り(Kosen-Bari)**によって生まれます。

ホワイトシカモアの木目が、まるで光が差し込むように広がるこの技法は、
ツキ板ならではの繊細な表情を最大限に引き出す、森工芸の代表的な仕事です。

藍漆と出会うことで、その光の揺らぎはさらに深まり、
木・藍・漆という自然素材の調和が、静謐でありながら力強い存在感を生み出しています。


地域から未来へ——素材の価値をつなぐ工芸

藍漆プレートは、徳島の藍、日本の漆、ツキ板という自然素材から成る工芸作品です。
その背景には、「素材が語る物語を未来へつなぐ」という森工芸の理念があります。

地域で育まれた素材を生かし、工芸が持つ可能性を広げたい――
その想いがかたちになった作品が、この度の受賞につながりました。

藍漆は、今後さらに発展し得る表現であり、
私たちはテーブルウェアにとどまらず、空間やインテリアの領域へと展開していく可能性を見据えています。


受賞を受けて —— ものづくりの姿勢を未来へ

今回の受賞は、私たちの技術だけでなく、地域素材と誠実に向き合ってきた取り組みが認められた証でもあります。
藍と漆、木という日本の素材が持つ美しさと潜在力を、現代の生活へどのように届けられるか。
森工芸はこれからも、その問いに向き合い続けます。

最後に、藍漆の創出に深い知見を寄せてくださった堤浅吉漆店様、
そして日頃より私たちのものづくりを支えてくださるすべての皆様へ、心より御礼申し上げます。

私たちはこれからも、
伝統を未来へつなぐ工芸のかたちを探求し続けてまいります。

RAYS PLATE Round L Ai-Urushi