「RAYS PLATE Ai-Urushi」が国際漆展・石川2026 デザイン部門・金賞を受賞

2026.8.9

「RAYS PLATE Ai-Urushi」が国際漆展・石川2026 デザイン部門・金賞を受賞

このたび、MORI KOUGEIの「RAYS PLATE Ai-Urushi(藍漆)」が、国際漆展・石川2026において、デザイン部門の金賞を受賞いたしました。

2025年に受賞した「第5回 日本和文化グランプリ ユナイテッドアローズ賞」「第2回 DENTOサポートプログラム DENTOアワーズ 工芸アワード」に続く、三つ目の受賞となります。

木、藍、漆。

日本で古くから受け継がれてきた自然素材と、私たちが長年培ってきたツキ板貼りの技術から生まれた作品が、漆をテーマとする国際的な展覧会で評価されたことを、大変光栄に感じています。

現代の漆の可能性を世界へ発信する「国際漆展・石川」

「国際漆展・石川」は、1989年に始まった漆をテーマとする国際公募展です。2026年で14回目を迎え、これまで世界各国・地域から優れた作品が集まり、現代の漆芸・漆工を世界へ紹介する場として高い評価を築いてきました。

開催地である石川県は、輪島塗、山中漆器、金沢漆器という国内有数の漆器産地を擁し、暮らしの文化のなかで漆の伝統と技術を育んできた土地です。

本展は、漆に関わる産業の活性化や、漆を通じた国際交流の促進、人と環境にやさしい素材である漆の価値、そして漆工芸が持つ高度な技術を再認識することを目的として開催されています。

作品は「デザイン部門」と「アート部門」の二部門で募集されます。

デザイン部門では、生産や流通の実現性を踏まえ、商品化にふさわしい漆のプロダクトを提案する作品が対象となります。一方、アート部門では、漆を用いた芸術表現そのものを重視した作品が対象となります。

「RAYS PLATE Ai-Urushi」は、実物による最終審査を経て、デザイン部門の金賞に選出されました。

日常のなかで使うことのできる器でありながら、木目、藍の色、漆の艶が生み出す表現性も併せ持つこと。その両面が、漆の新たな可能性を示すものとして評価されたのではないかと受け止めています。

徳島の藍と日本の漆から生まれた「藍漆」

藍漆は、徳島産の天然藍と天然の生漆を掛け合わせて生まれた、新たな漆の表現です。

MORI KOUGEIでは、自然素材である木の美しさを生かしながら、耐久性を備えた仕上げを実現したいと考え、京都で1909年に創業した堤淺吉漆店との協働により、藍漆を用いた製品づくりに取り組んできました。

漆は、漆の木から採取される樹液です。天然素材でありながら、硬化すると強い塗膜を形成し、耐水性や耐久性を備えます。古くから器や家具、工芸品の仕上げとして用いられ、使い続けることで艶や色合いが深まっていくことも、その大きな魅力です。

そこに掛け合わせたのが、徳島の伝統産業を象徴する藍です。

天然藍の粉末と生漆を混ぜ合わせることで、藍の青と漆が本来持つ褐色が重なり、単純な青や黒では表現できない、深い濃紺色が生まれます。光の強さや見る角度によって色や艶が変化し、天然素材ならではのわずかな揺らぎも、一つひとつの作品に異なる表情を与えます。

藍漆は、単に漆を青く着色したものではありません。

徳島で育まれてきた藍、日本で長く受け継がれてきた漆、そして、それぞれの素材と向き合う人々の技術と探求が重なって生まれた、現代の工芸表現です。

光線貼りが引き出す、木目と光の表情

「RAYS PLATE Ai-Urushi」の放射状に広がる木目は、MORI KOUGEI独自の「光線貼り(Kosen-Bari)」によって作られています。

光線貼りは、薄くスライスした天然木のツキ板を細かく切り分け、中心から外側へ向かって一枚ずつ貼り合わせる技法です。

使用しているホワイトシカモアのツキ板には、光の反射によって現れたり消えたりする繊細な杢があります。その木目を放射状に構成することで、見る位置や光の方向に合わせて、プレートの表面に光が広がるような表情が生まれます。

この木目を覆い隠さず、藍漆の深い色と艶のなかに浮かび上がらせるため、仕上げには繊細な拭き漆の技術が必要となります。

ツキ板の木目、徳島の藍、天然漆の艶。

それぞれが単独で主張するのではなく、互いの個性を引き立て合うことで、静けさのなかに奥行きと力強さを感じる一枚が完成します。

三つの受賞を通じて評価された、藍漆の可能性

「RAYS PLATE Ai-Urushi」は、これまでに以下の三つの賞を受賞しました。

  • 第5回 日本和文化グランプリ ユナイテッドアローズ賞
  • 第2回 DENTOサポートプログラム DENTOアワーズ 工芸アワード
  • 国際漆展・石川2026 デザイン部門 金賞

日本文化としての価値、未来へ受け継ぐ工芸としての可能性、そして現代の漆製品としてのデザイン性。

異なる視点を持つ三つの賞で評価をいただけたことは、「RAYS PLATE Ai-Urushi」が一つの器という枠を越え、これからの日本のものづくりのあり方を提案する作品として受け止められた結果だと感じています。

地域の素材や受け継がれてきた技術は、守るだけでなく、現代の暮らしにふさわしい形へと展開することで、次の時代につないでいくことができます。

MORI KOUGEIはこれからも、ツキ板という素材と向き合いながら、木、藍、漆が持つ価値と可能性を、国内外へ届けてまいります。

最後に、藍漆の開発と仕上げに尽力してくださった堤淺吉漆店の皆様、制作に関わってくださった方々、そして日頃よりMORI KOUGEIのものづくりを支えてくださる皆様に、心より御礼申し上げます。

国際漆展・石川2026 開催概要

会期:2026年10月28日(水)~11月9日(月)
会場:石川県政記念しいのき迎賓館
所在地:石川県金沢市広坂2丁目1番1号

最終審査に出品された作品は、会期中、同会場にて展示される予定です。

 

RAYS PLATE Ai-Urushi

国際漆展・石川2026 公式サイト
「RAYS PLATE Ai-Urushi」これまでの受賞について
MORI KOUGEI「藍漆について」