2026.4.23
光の角度によって、静かに現れる文様。
それは、刻まれたものではなく、“浮かび上がるもの”。
森工芸は、蜂須賀正勝生誕500年の節目となる企画展に参加し、
本展のために制作した特別なプロダクト《卍文光層 盆》を発表いたします。

1526年、蜂須賀正勝が誕生してから五百年。
戦国の時代を生き、阿波の地に礎を築いた蜂須賀家の歴史は、
徳島の風土と文化の中に今も息づいています。
本展では、写真家・大杉隼平氏を中心に、
現代の名工をはじめ徳島・京都の職人たちが集い、
五百年という時間を現代の表現として再構築します。
森工芸は会場での常駐はございませんが、
本企画のために制作した《卍文光層》トレイを通して、
阿波の素材と技術、そして時間の積層を表現しています。

本作の核となるのは、「卍文光層(まんじもんこうそう)」という独自のパターンです。
蜂須賀家の家紋「卍」を構成要素とし、
阿波杉の柾目だけを用いて、木目の方向を変えながら精緻に組み上げています。
同じ素材、同じ色でありながら、
光の当たり方によって文様が浮かび上がる。
そこに現れるのは、
「永続」「循環」という卍の意味であり、
五百年という時間の重なりです。

素材には、徳島の風土を象徴する阿波杉を使用。
その木地を、天然藍で染め上げています。
藍は、蜂須賀家の時代に阿波の産業として発展し、
この地の文化を支えてきました。
木と藍。
どちらも時間とともに深まる素材です。
その二つを重ねることで、
静かで奥行きのある表現を目指しました。

一つひとつの小さな木片を切り出し、
木目の向きを揃え、ずらし、組み上げる。
わずかな角度の違いが、最終的な光の見え方を大きく左右します。
この作品は、素材の持つ微細な違いを読み取りながら、
時間をかけて積層していくプロセスそのものでもあります。



本展では、写真・工芸・空間演出が交差し、
五百年という時間を体験として感じていただける場が生まれます。
森工芸の作品も、光の中で静かに表情を変えながら、
空間の中に溶け込むように展示されます。
ぜひ会場でご覧ください。
蜂須賀正勝 生誕500年記念展
— 蜂須賀家最後の末裔と伝える徳島 —
会期:2026年4月29日(水)– 5月6日(水)
時間:12:00 – 19:00
会場:DAIKANYAMA GARAGE(東京・代官山)
住所:東京都目黒区中目黒1-3-12 アーバンリゾート代官山 1F
アクセス:
・代官山駅 徒歩5分
・中目黒駅 徒歩5分
・恵比寿駅 徒歩9分
入場:無料
五百年という時間は、決して派手なものではなく、
静かに積み重なってきたものです。
《卍文光層》は、その時間のあり方を、
光と素材の関係の中で表現した試みです。
この機会に、ぜひ実物をご体感ください。


ー《卍文光層 盆 》ー
光の中に浮かぶ文様
光の角度によって、静かに現れる文様。
それは、刻まれたものではなく、“浮かび上がるもの”。